姫ロンNEWS 2017.7.30号















麻雀ブルエンプレストーナメント
和泉由希子 ひるまず、攻め抜き、女帝に輝く

 女流雀士総勢52人が集う華麗な麻雀ツアートーナメント・姫ロン杯。その第3節となる『第4回姫ロン杯 麻雀ブルエンプレストーナメント』が7月27日、FRESH!にて生中継された。
 決勝戦(2回戦)では「アイスドールというキャッチフレーズから、強気なキャラクターと見られがちなんですが、負けたら終わりという崖っぷち感が大きくあり、切羽詰まっています」とありのままを吐露していた和泉由希子(日本プロ麻雀連盟)が見事勝利を収め、エンプレス=女帝に輝いた。2位には4度目の挑戦で初めて予選を通過した山脇千文美(日本プロ麻雀連盟)が入り、和泉と山脇が、姫ロン杯チャンピオンシップへの出場権利を獲得した。

 今回登場した女流雀士は13名。予選は3組に分かれ、各卓トップ通過者が、姫ロン杯史上初の3連覇を目指す柚花ゆうり(日本プロ麻雀協会)に挑んだ。
 決勝戦の対局者は、各予選を勝ち上がった山脇千文美(日本プロ麻雀連盟)、渋谷菜瑠美(日本プロ麻雀連盟)、和泉由希子(日本プロ麻雀連盟)の3人とディフェンディングチャンピオンの柚花。決勝は2回戦、2試合の合計ポイント(素点)で争われた。

 和泉のプロデビューは2003年、女流プロが今よりも少なかった時代だ。「我ながら波乱万丈の人生で、妊娠、出産を経験し、勝負強さが無くなったねとか、やわらかくなったねなんて言われるんです」と、1歳になる息子を育てながら、プロ活動を続けている。「負けたら終わりというのは、母親になってからはすごく大きくて、怯えているのかもしれません。以前は切れていたであろう牌が切れなくなったり、崖っぷちというか切羽詰まっています」と生活環境の変化によって、心の変化もあったようだ。
 しかし和泉は、そんなマイナスオーラをまとった自分の〝殻〟を打ち破ろうと、開局から〝攻め抜く決意〟を卓上に乗せた。「ツモれる気がしたんです。あの3ピン。ツモった時にはあれ?赤3ピンじゃないんだって思ったんですが」とあっけらかんに振り返る。東1局、先制リーチを放った和泉は、カン3ピンをツモり4000点を加点。続く東2局でも渋谷の先制リーチにひるまず仕掛け、発・ドラ1をアガリ切った。「あそこが決め手でしたね。だって500/1000で攻め抜いたんですよ」とは、対局解説の藤崎智プロ(日本プロ麻雀連盟)だ。東4局ではリーチ・一発・ドラ6、倍満となる1万6000点を決め、さらに南1局1本場、南2局2本場で3900点を二度加点する。親番で迎えた南3局では、中押しとなるリーチ・ピンフ・タンヤオ・赤・ドラ2、跳満となる1万8000点をアガり、1回戦だけで7万1100点と大量リードを築き、トップで折り返した。

⬛︎決勝第1戦終了ポイント
和泉由希子 +71.1
山脇千文美 +41.3
渋谷菜瑠美 ▲5.4
柚花ゆうり ▲7.0



攻めの気持ちを貫いた和泉 自ら殻を突き破り〝女帝〟に

 続く決勝2戦目、和泉は渋谷、柚花、山脇の3人から追われる立場に変わった。卓に着く前「これで逆転されたらどうしよう」と心の声を漏らした和泉だったが、戦う姿勢に変わりはなかった。
 東2局、リーチ宣言牌で渋谷に5200点を放銃するものの、東3局でリーチ・ツモ・ピンフ・三色・ドラ2、1万2000点を加点。ここから3人の猛攻に耐え続けた和泉は、南4局、2着目につける山脇との一騎打ちの様相となる。互いに意地のテンパイを入れ合いながら迎えた南4局3本場、粘る山脇に捉えられそうになった和泉だったが、山脇のノーテンで終局となり、和泉がエンプレス=女帝を戴冠した。
「常にピヨピヨしている私が一生懸命、殻を打ち破ろうとしている姿を温かかく見守ってください」と予選前に語っていたアイスドール。「息子のために、ママ頑張ります」と守るものを抱えたその頬に、ほんの少し赤みが差した。

⬛︎決勝第2戦終了最終ポイント
和泉由希子 +30.5/+101.6
山脇千文美 +32.2/+73.5
柚花ゆうり +30.6/+23.6
渋谷菜瑠美 +6.7/+1.3



⬛︎選手コメント

第1位:和泉由希子(日本プロ麻雀連盟)
「終始ツイてたなと思います。迷わない手が来ていたので。チャンピオンシップも不安しかないんですけど、応援してくれた人に勝っても負けても面白かったねといわれるような麻雀を打ちたいと思います。そういえば、今日は高級レストランに行くイメージで服を選びました。レッドカーペットでもいいんですけどね(笑)」

第2位:山脇千文美(日本プロ麻雀連盟)
「決勝2回戦のオーラス、4000オールを2回アガれば優勝だと思っていたんですが、収入はノーテンバップだけでした。ただチャンピオンシップへの出場権は得られたので、また頑張ります。これまでの姫ロン杯では、すべて予選4着だったので、一味違った私をお見せできたことはよかったのかな」

第3位:柚花ゆうり(日本プロ麻雀協会)
「和泉プロが強かったです。応援してくれていたみなさんに下半期の裏ドラを私に乗せてくださいってお願いしてたんですけど、お返しします(笑)。三連覇にチャレンジできるのは私しかいない。こんな貴重な機会はなかなかないので、楽しみたいなって思ってたんですが」

第4位:渋谷菜瑠美(日本プロ麻雀連盟)
「決勝では、へたくそだったなと思います。正直決勝に行けると思っていなかったので、予選で使い切った感はあります。和久津プロ、魚谷プロ、高宮プロという先輩プロと同卓した予選では、勝ちたいなと思うと勝てないので、意気込んでいなかったから勝てた気がします。来年まで修業してまた頑張ります」



 次節『第4回姫ロン杯麻雀さんクイーンカップ』は8月31日(木)12:00~、FRESH!にて生中継される。ディフェンディングチャンピオン黒沢咲プロ(日本プロ麻雀連盟)に挑むのは誰なのか。姫ロン杯チャンピオンシップに向け、女流雀士たちの熱い闘牌は続く。

●取材・執筆:福山純生(雀聖アワー)